主従契約

不可抗力な契約
虎の威は借りない
孤独、傲慢、独占欲
一方的な離別
対等でいたいんです





秋季限定

落ち葉の先で
名も知らぬ待ち人
読書、その隣
冷たい風が吹くばかり
冬も温もりをください





冬季限定

温室苺味キス
白い吐息を奪え
青白い指先
絡まったロングマフラー
始まりの粉雪






笑顔の下で
上手に騙してよ
この唇を許さないで
一生消えない傷を
偽りで彩る





帰り道

影ふたつ
寄り道日和
止まった時計と
帰りたくない
「また明日」





手を、

さぁ、お手をどうぞ
背負ってあげる
一緒に行こう
俵担ぎで誘拐
お姫様だっこは勘弁






夕暮れ同盟
後姿が揺れる
中身のない喧嘩
生まれた距離感
ずっと、ずっと、





正座

息が詰まります
脚が痺れます
様になる人
いい加減慣れなさい
やっぱり苦手です





初対面

第一印象は濃かった
違和感もなく
何で隣にいるんだよ
走れば間に合うさ
ところで、誰?





切ない恋

むりに わらわないで
すきだと いえなかった
もう とどかない
また きみに こいをする
ここから はじめよう






開け、ゴマ!
グライドスライドドア
回転扉の罠
押してダメなら引いてみろ
鍵はいずこ





肩越し

サヨナラの数
肩越しに振り向けば
今日は歩こうか
約束のない日々
また会いましょう





林檎

もうすぐ染まるよ
皮の螺旋へ
誘惑への階段
純白が咲いたら
噛り付いた。





Time!

ソファに残像
黒ウサギの嘲笑
落ちた針を拾って
転がる懐中時計
タイムオーバー





疑惑

黒縁眼鏡の嘘
シルバーリングに噛みついた
知らない香水
信じたいけど理屈じゃない
雨降って、





すみません、

どちら様ですか?
記憶にありません。
正直ウザいです。
言い過ぎました…
宜しくお願いします。





異端な側近

執事な君と
俺様メイド
ナンパな秘書
不敵な護衛
異端な側近





紅茶

アーリー・ティーに溺れる
砂時計は裏切らない
ベルガモットの憂鬱
君流ゴールデンルール
Dimbulaの向こう側


以下、補足

*Earl Grey(アールグレイ)
フレーバーティーの一種。ベルガモット(柑橘系)の香り。

*Dimbula(ディンブラ)
セイロン茶の代表格。水色は明るいオレンジ色。薔薇の香りに似た柔らかい香り。まろやかで程よい適度な苦味。





空白

グッバイ、ハニー
雲の中心
グレーゾーンでまどろんで
回る警報に酔う
赤紫ノ空白